
相槌は便利だ。便利すぎて、私は2年を無駄にしたんだ。
英語の相槌を調べに来たんだと思う。Really? や I see. のような、会話をつなぐ一言だね。
この記事でも、実際に使える相槌はきちんと並べる。でもその前に、相槌には2種類あるという話をさせてほしい。
①聞いていますよ、と伝えるための相槌。これは会話に必要だ。②分かったふりをするための相槌。これが恐ろしい。
私は英語が通じる島に2年住みながら、②ばかりを打っていた。その結果、2年経ってもほとんど話せないまま帰ってきた。相槌は便利で、便利すぎるから、それだけで一日が終わってしまうんだ。この記事は、その反省から書いている。
まず、よく使う英語の相槌を場面別に
実用のところから先に置いておくね。
とりあえず聞いている、と伝える
- Uh-huh. … うんうん(軽い。多用しすぎ注意)
- Right. … うん、そうだね
- I see. … なるほど
- Okay. … はい(話の区切りで)
- Sure. … うん(同意寄り)
驚き・関心を示す
- Really? … 本当に?
- Oh, wow. … へえ、すごい
- That’s interesting. … それは面白いね
- No way! … まさか(くだけた場面で)
- Seriously? … マジで?(くだけた場面で)
同意する
- Exactly. … まさに、その通り
- That makes sense. … 筋が通っているね
- I agree. … 同感です
- Good point. … いい指摘だね
共感する
- That sounds tough. … 大変そうだね
- I know what you mean. … 言いたいこと分かるよ
- That’s great! … それはよかった
理解したことを示す
- Got it. … 分かった
- Ah, I see what you mean. … ああ、そういうことか
この程度を回せれば、日常のやり取りは十分に成り立つ。大事なのは数ではなく、使い分けだ。
ここからが本題|相槌には危ない使い方がある
ここが、この記事で一番書きたいところだ。
私は英語が通じる島に2年住んでいた
私は青年海外協力隊として2年間、大洋州の島国でコンピュータを教えていた。その島は英語が通じる土地だった。
つまり、環境としては申し分なかった。それなのに2年経ってもほとんど話せないまま帰ってきたんだ。
何をしていたかというと、うなずいていた
分からない話が来たとき、私は聞き返さなかった。うんうん、とうなずいてやり過ごしていた。
教える仕事は、それでも回ってしまった。コンピュータの操作は画面を指させば伝わるし、手を動かして見せれば伝わる。
言葉が満足に通じなくても、気持ちは通じる。それはあの2年で学んだ本当のことで、いまでも私の財産だと思っている。
でも同時に、相槌さえ打っておけば一日が終わってしまった。困らないものは、身につかないんだ。
2年分の「うんうん」が、私に残したもの
任期の終わりに、私はこう思った。もし英語ができていたら、もっと良い活動ができたはずだ——と。
伝えたいことの半分も伝えられなかった。相手の言葉も半分しか受け取れなかった。その悔しさが理由で、私は語学留学を決めた。
だからこの記事で相槌を紹介しながら、同時に警告も書いておきたい。相槌は、分からないことを隠すのに使える。そしてそれは、時間を静かに奪っていく。
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「聞いている相槌」と「ごまかす相槌」の見分け方
では、どこで線を引けばいいのか。私の基準を書くよ。
後で内容を説明できるか
判定はこれ一つで足りると思う。
その会話の後、相手が言ったことを自分の言葉で説明できるか。できるなら、その相槌は正しく機能していた。できないなら、ごまかしていたんだ。
私は島での2年、この判定をしていたらほとんど全部が「できない」側だったと思う。
危ないのは Uh-huh の連打
特に気をつけたいのが Uh-huh だ。
短くて、どんな話にも使えて、何も理解していなくても打てる。便利さと危うさが、そのまま同じ場所にある。
自分が Uh-huh を3回続けて言っていたら、たぶんその時点で話は分かっていない。私はそういう合図として使っている。
中身のある相槌に寄せる
対策は簡単で、内容に触れる相槌を混ぜることだ。
- That makes sense. … 筋が通っている(=理解したという合図)
- Good point. … いい指摘だ(=中身を評価している)
- So you mean ○○? … つまり○○ということ?(=確認)
最後の So you mean ○○? は特に強い。これは相槌でありながら、同時に確認になっている。分かっていなければ言えないから、ごまかしに使えないんだ。
相槌と聞き返しは、セットで覚える
私がいま伝えたいのは、この一点に尽きる。
相槌だけを覚えると、逃げ道になる
相槌は会話を滑らかにする。だからつい、そればかり増やしたくなる。
でも相槌だけが上手くなると、分からないまま会話を続ける技術が上がるだけだ。私の2年が、まさにそれだった。
分からないと言う言葉も、同じだけ用意する
- Sorry? … もう一度
- Sorry, what was that last part? … 最後のところをもう一度
- Do you mean ○○? … ○○ということ?
この2つを同じ引き出しに入れておく。分かったときは相槌、分からないときは聞き返し。それだけのことなんだ。
私が語学留学の1年でいちばん身についたのは、実はこの切り替えだった。留学の全部を振り返って、いちばん役に立ったのが「分からない」と言えるようになったことだと思っている。
大学院では、これに助けられた
その後、私はイギリスの大学院で教育開発学を1年半学んだ。
TOEIC900点を持って行ったけれど、世界中から来た学生の中では、私の英語力は低い方だった。特にドイツから来ていた学生は、私とは比べものにならないくらいできた。
議論の速さでは敵わない。でも「いまのところをもう一度」と言えれば、話には残れる。もし相槌だけで済ませる癖のままだったら、1年半をまた無駄にしていたと思う。
日本語の相槌のまま英語に持ち込むと、ずれる
もう一つ、私が現地で気づいたことを書いておく。
日本語の相槌は、量が多い
日本語の会話では、相手が一文話すごとに「はい」「ええ」「なるほど」と挟むよね。あれが自然な間合いになっている。
同じ調子で英語に持ち込むと、相槌の量が多すぎて、話を遮っているように受け取られることがある。
私も最初はそうだった。良かれと思って打っていたのに、相手が話しにくそうにしていた場面があったんだ。
英語の相槌は、区切りで打つ
感覚としては、文が終わったところ、話が一段落したところで打つくらいでちょうどいい。
日本語の半分以下でいい、と思っておくと外れにくいと思う。
「はい」=Yes ではない
これも間違えやすい。
日本語の「はい」は「聞いています」の意味で使うことが多い。でも英語の Yes は同意の意味が強く出る。
だから聞いている合図のつもりで Yes を連発すると、全部に賛成していることになってしまう。後で「さっき同意していたよね」と言われて困る、ということが起こり得る。
聞いている合図なら I see. や Okay. のほうが安全だよ。
沈黙を怖がらなくていい
最後にこれも。日本語だと沈黙が気まずいから、つい相槌で埋めたくなる。
でも考えている時間の沈黙は、英語の会話では普通にある。無理に埋めようとして中身の無い相槌を連発するより、少し黙ってから自分の言葉で返すほうが、ずっと会話になるんだ。
使うときの細かい注意
1|同じ相槌を続けない
Really? を3回続けると、聞いていないのが伝わってしまう。日本語で「へえ」を連発されたときの感じと同じだよ。
いくつか持っておいて、順番に回すくらいでちょうどいい。
2|場面の重さに合わせる
No way! や Seriously? はくだけた言い方だ。友人との会話では自然でも、仕事の場や初対面では避けたほうが無難だと思う。
迷ったら I see. や That makes sense. のあたりに寄せておけば、どの場面でも外さない。
3|声を出す
日本語だと、うなずくだけで相槌になるよね。英語ではそれが伝わりにくい。
特に電話や画面越しでは、黙ってうなずいても相手には何も届かない。短くていいから声を出す必要がある。
4|相槌を打つ余裕が無いときは、それも言っていい
- Sorry, you’re speaking a bit fast for me. … 少し速いです
- Could you speak a little more slowly, please? … ゆっくりお願いします
私は大学院で、これを言えずにずいぶん損をした。言えば相手は合わせてくれる。言わないと、ずっとその速さのままだ。
まとめ|英語の相槌をどう使うか
整理しておくよ。
使う相槌は、I see. / Really? / That makes sense. / Exactly. / Got it. このあたりを回せれば十分だ。数を増やすより、場面に合わせて使い分けるほうが大事だからね。
そのうえで、この記事で一番伝えたかったのはこれだ。相槌には「聞いている合図」と「分かったふり」の2種類がある。後者は便利で、便利すぎるから危ない。
私は英語が通じる島に2年住みながら、うなずいてやり過ごし続けた。その結果、2年経ってもほとんど話せないまま帰ってきた。相槌さえ打っておけば一日が終わってしまったからだ。
だから相槌と聞き返しは、セットで覚えてほしい。分かったときは相槌、分からないときは Sorry?。この切り替えができるようになったことが、留学でいちばん役に立ったことだったよ。
判定は簡単だ。その会話の後、内容を自分の言葉で説明できるか。できないなら、その相槌はごまかしだったということだね。
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