
私はイギリスの大学院で、1年半これをやったんだ。正直に書くね。
英語のディスカッションについていけない。話は進んでいくのに、自分だけ置いていかれる。——その状態でここに来たんだと思う。
先に言っておくと、私も同じだった。イギリスの大学院で教育開発学を1年半学んだけれど、その間ずっと私は下の方だった。特にドイツから来ていた学生は、私とは比べものにならないくらいできた。
しかも私は、TOEIC900点を持ってその教室に入っている。日本の中では悪くない点だ。それでも通用しなかった。だから「点を上げれば解決する」とは、私には書けない。
この記事では、なぜついていけないのかを分解して、それでもその場に残るために私がやったことを書く。きれいな解決策は無い。でも、1年半を走り切った方法ならある。
【結論】ついていけない原因は、英語力だけではない
1年半やって分かった原因を、まず並べておく。
- 速さの問題(言葉を組み立てている間に話が先へ行く)
- 割り込みの問題(発言の順番が回ってこない)
- 前提の問題(話題の背景を共有していない)
- 気持ちの問題(分からない自分を見せたくない)
英語力そのものは、4つのうち1つでしかない
「英語力が足りないからついていけない」と思い込むと、単語を増やす方向にばかり努力が向かってしまう。
でも私の実感では、速さ・割り込み・前提・気持ちのほうが、その場での差を作っていた。
しかもこの3つ目までは、英語力を上げなくても手が打てる。順番に見ていこう。
原因1|速さ|組み立てている間に話が先へ行く
これが一番きつい。言いたいことはあるのに、口から出るまでが遅い。
頭の中で正しい文を作ってから言おうとして、作り終わる頃には話題が2つ先に進んでいる。手を挙げるタイミングを失って、また黙る。この繰り返しだった。
対策|完成した文を待たない
私がやったのは、文が完成する前に口を開くことだった。
I think… と言い始めてしまえば、その場に席は取れる。続きは話しながら考えればいい。
格好は悪い。でも完璧な文で黙っているより、途切れ途切れで発言するほうが、議論の中では価値がある。これは1年半かけて腹に落ちたことだ。
対策|短い定型を体に入れておく
- Can I add something? … 一言いいですか
- Sorry, can I jump in? … 割り込ませてください
- I have a question about that. … そこについて質問があります
- Could I go back to what ○○ said? … ○○さんの話に戻っていいですか
とっさに出る短い形をいくつか持っておくと、考える時間を作れる。とっさに出ない言葉は、無いのと同じだからね。
原因2|割り込み|順番が回ってこない
日本語の会話だと、相手が話し終わるのを待つのが礼儀だよね。英語のディスカッションでは、それをやると一生順番が来ない。
待っていると、本当に来ない
私は最初、律儀に待っていた。誰かが話し終わったら発言しようと思って。
ところが終わった瞬間に別の誰かが話し始める。そしてまた終わりを待つ。それで90分が終わることが何度もあった。
対策|声を出して「入る」合図をする
覚えたのは、話し終わるのを待たずに、入る合図を出すことだ。
Sorry — と一言だけ挟む。あるいは軽く手を挙げる。それだけで「この人は何か言いたい」と伝わって、順番が回ってくる。
失礼なことをしている気がして、最初はずいぶん抵抗があった。でもその場では、黙っていることのほうが不参加とみなされるんだ。
PR(広告を含みます)
【Aceからひとこと】
「やってみようかな」と思ったら。
まずは無料体験から始めるのがおすすめだよ。お金をかける前に、自分に合うかどうかだけ確かめればいいからね。
合わなかったら、やめればいいだけだから。
▶ ネイティブキャンプ
(無料で試せる)
原因3|前提|話題の背景を共有していない
これは見落とされがちだけれど、大きい。
英語が全部聞き取れていても、話されている前提を知らないと、議論には入れない。
私が島での2年で気づいていたこと
私は青年海外協力隊として2年間、大洋州の島国でコンピュータを教えていた。
そのときに感じていたのが、これだった。コンピュータの専門の話をしている限りは、意外と通じた。用語のもとが英語だし、お互いに何の話をしているか分かっているからね。
困ったのはむしろ雑談のほうだった。共通の土台が無いから、単語が聞こえても話に入れない。
対策|前提のほうを先に埋める
だから大学院では、議論の前に読む物を読んでおくことに時間を注いだ。
英語の速さでは勝てない。でも、前提を知っているかどうかは事前の準備で決まる。ここは努力が素直に効く場所だった。
話の中身を知っていれば、単語が2つ3つ落ちても筋は追える。逆に前提を知らないと、全部聞き取れても意味が取れない。
原因4|気持ち|分からない自分を見せたくない
正直に言うと、私はこれが一番大きかった。
900点を持っていたから、なおさら言えなかった
私のTOEICは、語学留学前が約600点。ニュージーランドで1年学んで、帰国後に対策なしで受けて約800点。その後、対策をして900点になった。
日本の中でなら悪くない数字だ。だから大学院に入るとき、正直「もう英語では困らない」と思っていた。
そんなことはまったくなかった。そして、点を持っている人間が「分かりません」と言うのは、格好が悪い気がしたんだ。
格好つけていた時間は、そのまま失われた
でも教室にいたのは世界中から来た学生で、私の英語力はその中では低い方だった。特にドイツから来ていた学生には、まるで敵わなかった。
格好をつけている場合ではなかった。黙っていた時間は、そのまま失われた時間になった。1年半しかないのにね。
対策|「分からない」を先に出す
語学留学の1年で身につけていて、本当に助かったのがこれだった。
分からないまま曖昧にうなずくのをやめて、「いまのところをもう一度」と言う。
格好は悪い。それでも分からないまま座っているよりずっとましだ。留学の全部を振り返って、いちばん役に立ったのがこの一点だったと私は思っている。
その場で使える、短い定型をまとめておく
考えている時間が無い場面で効くのは、短い形だけだ。私が助けられたものを場面ごとに置いておく。
入るとき
- Can I add something? … 一言いいですか
- Sorry, can I jump in? … 割り込ませてください
- Can I say something about that? … その件で一言
時間を稼ぐとき
- That’s a good question. … いい質問ですね(考える間を作る)
- Let me think for a second. … 少し考えさせてください
- How can I put this… … どう言えばいいかな
沈黙が続くと、相手は「分かっていない」と判断して次へ行ってしまう。考えていることを声に出しておくと、待ってもらえるんだ。
分からないとき
- Sorry, what was that last part? … 最後のところをもう一度
- Sorry, I missed the word after ○○. … ○○の次が落ちました
- Do you mean ○○? … ○○ということですか
話を戻したいとき
- Could I go back to what ○○ said? … ○○さんの話に戻っていいですか
- I’d like to come back to the earlier point. … さっきの点に戻りたい
議論が先へ行ってしまっても、これが言えれば戻せる。タイミングを逃したから諦める、という損をしなくて済むよ。
それでもついていけない日は来る
ここまで対策を書いてきたけれど、都合のいいことばかり書きたくない。
全部やっても、ついていけない日はある
準備をして、割り込み方を覚えて、聞き返せるようになっても、手も足も出ない日は普通にあった。
議論の速さも、言葉の正確さも、まるで違う相手がいる。1年半のあいだ、その差が埋まった実感はついに無かったよ。
「人と比べるな」とは書かない
この手の記事では「人と比べないことが大事」と書かれがちだけれど、私はそう書かない。
同じ教室にいれば、嫌でも比べてしまう。比べてしんどくなるのは、たぶん避けられない。
私にできたのは、比べないことではなく、比べてへこんだ日の翌日に、また教室へ行くことだけだった。それで1年半が終わって、修了した。
英語以外の持ち札を作っておく
最後に、これが一番実用的な話かもしれない。
私が教室で価値を出せたのは、英語ではなかった。現場で教えてきたという経験のほうだ。
「それは実際にはこうだった」と言える材料があると、話に入れてもらえる。英語で勝てないなら、英語以外で持ち込めるものを持っていけばいい。
君にも、その場で自分しか持っていないものが必ずあるはずだ。議論についていくことより、まずそこを探してみてほしい。
まとめ|英語のディスカッションについていけないとき
整理しておくよ。
ついていけない原因は速さ・割り込み・前提・気持ちの4つで、英語力そのものはそのうちの一部でしかない。しかも前の3つは、英語力を上げなくても手が打てる。
速さには完成した文を待たずに口を開くこと。割り込みには話し終わるのを待たずに入る合図を出すこと。前提には事前に読んでおくこと。ここは努力が素直に効く場所だ。
そして気持ちの問題には、「分からない」を先に出すこと。私はTOEIC900点を持って大学院に入って、それでも下の方だった。格好をつけて黙っていた時間は、そのまま失われた時間になったよ。
それでも、全部やってもついていけない日は来る。私は1年半のあいだ、その差が埋まった実感をついに持てなかった。できたのは、へこんだ日の翌日にまた教室へ行くことだけだった。
だからもう一つだけ。英語以外の持ち札を用意しておくといい。私が価値を出せたのは英語ではなく、現場で教えてきた経験のほうだったからね。
PR(広告を含みます)
【Aceからひとこと】
「やってみようかな」と思ったら。
まずは無料体験から始めるのがおすすめだよ。お金をかける前に、自分に合うかどうかだけ確かめればいいからね。
合わなかったら、やめればいいだけだから。
▶ ネイティブキャンプ
(無料で試せる)
関連記事

