巷に騒がれる、阿部サダヲ殿:二十二年ぶりの朝の連続ドラマで、何を支度されたかについて、
さても気になる話じゃ!今宵はこの御方を追ってみようぞ!
【略歴】
- 1970年4月23日、千葉県松戸市のお生まれ
- 本名は阿部隆史と申される
- 小中高と、野球部に籍を置かれる
- 1992年、劇団「大人計画」に参加し役者として世に出られる
- 1995年、同じ劇団の仲間とバンド「グループ魂」を組み、「破壊」の名で歌われる
- 2003年、NHK連続テレビ小説『こころ』に出られる
- 2005年、グループ魂として紅白歌合戦に出られる
- 2007年、映画『舞妓Haaaan!!!』にて初主演を務められる
- 2010年、NHK『離婚同居』にて連続ドラマの初主演を務められる
- 2024年、『不適切にもほどがある!』にて主演を務められる
- 2025年、NHK連続テレビ小説『あんぱん』にて屋村草吉役を務められる
【阿部サダヲの朝ドラは22年ぶり-風来坊のパン職人】
2025年の連続テレビ小説『あんぱん』でござる。朝ドラの112作目じゃ。
主演は今田美桜殿。夫となる嵩を北村匠海殿が演じられた。
そこに現れるのが屋村草吉という男でござる。
紹介の一文が、これじゃ。
「どこからともなくふらりと高知にやって来た風来坊のパン職人。お金にうるさく口は悪いがパン作りの腕はたしか」
――演じられたのが、阿部サダヲ殿でござる。
そして、この御方の朝の連続ドラマは2003年の『こころ』以来。
――22年ぶりでござる。
三十三の年に一度出て、五十五で戻ってこられた。
その間の心持ちを、こう明かしておられる。
「朝ドラは、お父さん役もできる年齢になってきたかなと思っていましたが」
お主、ここで頷かれよ。
――そろそろ父親役か、と思うておられたのじゃ。
ところが、来た話はそうではなかった。
「それとはまたちがう、風来坊のパン職人というおもしろい役をいただけて、やりがいがあるなと感じています」
――それとはまたちがうでござる。
五十五の役者に、家の外から来る流れ者を振った。
この配りが、まず面白い。
では、草吉とはどういう男か。
この御方の読み方が、これでござる。
「僕の想像ではありますが、草吉は何かを諦めてきて、愛情に飢えている」
「だからこそ、人にすごく興味がある人物なのかなと。一見冷たそうに見えますが、結局は困っている人がいると助けたくなってしまうのだと思います」
――何かを諦めてきて、愛情に飢えている。
口が悪く、金にうるさい男の奥に、そこを置かれた。
そのうえで、こう気を配っておられる。
「草吉は言葉遣いが荒いので、ただの気が強い人に見えないよう、なるべくあたたかい印象に持っていけるようにしたいと思っています」
――荒い言葉のまま、温かく見せる。
難しい注文でござるな。
しかも、脚本の御方からはこう言われたという。
「あとは、脚本の中園さんに「ヤムさん、おもしろくしてください」と言われたので(笑)」
「暗くなるような場面も、明るくしていければと思っています」
――おもしろくしてくださいじゃ。
台本にそう書いてあるわけではござらぬ。書いた御方が、直に頼まれた。
【工場で一から習った-大事なのはツヤ感だという】
さて、この稿の山でござる。
パン職人の役ゆえ、支度が要り申した。
「実際にパンの工場に行って、パンをこねて、あんこを包んでという基礎から練習しました」
お主、ここで唸られよ。
――基礎からでござる。
五十五の、押しも押されもせぬ役者じゃ。
その御方が工場へ行き、粉をこね、あんを包む稽古をされた。
しかも、それだけではござらぬ。
「撮影では、道具も作り方もその時代に合わせています」
――今の道具で作れば済む話ではない。
戦前から戦後の物語ゆえ、その頃の道具と手順で作る。
そして、この一言が実に良い。
「パンがおいしそうに見えないから撮り直しということもありましたし、ツヤ感が重要みたいです」
――ツヤ感でござる。
芝居ではなく、パンの出来で撮り直しになる。
朝の茶の間に流れる物語じゃ。
見ておる者は、これから飯を食う。
――そこに不味そうなパンを映すわけにはいかぬのでござる。
この御方も、そこは分かっておられる。
「『あんぱん』を見て、朝ごはんがパン派になる人も多いんじゃないかな(笑)」
そして劇中の草吉は、要所であんぱんを焼く。
「草吉があんぱんで悲しみに包まれた朝田家の人々を救ったり、のぶや嵩の受験のときに“合格あんぱん”をあげたり、元気になってほしいときにあんぱんを焼くっていうのは、いいですよね」
「いつの間に作っていたんだろうという場面も多いですが(笑)。みんなのことを思って、こっそり作っているんでしょうね」
――こっそり作っているじゃ。
台本に書かれておらぬところを、この御方はそう埋めておられる。
口は悪い。だが誰も見ておらぬところで焼いておる。
さて、もう一つ。
この作は高知が舞台で、皆が土佐の言葉で芝居をしておった。
この御方は、そこにこう気を配られた。
「皆さんが方言に苦労されていて、僕が勝手なことをしてしまうと、急には方言が出てこなくて困らせてしまうので。そこはあまり乱すことはしないように気をつけています」
お主、ここでもう一度唸られよ。
――乱さぬように気をつけているでござる。
脚本家から「おもしろくしてください」と頼まれた御方じゃ。
その気になれば、いくらでも崩せる立場でござる。
だが、周りが方言で手一杯なのを見て、そこは抑えておられる。
【未来予想図-わざと分からぬ人でいる御方】
ここまでを、一度まとめておこう。
――阿部サダヲ殿は2025年の連続テレビ小説『あんぱん』にて屋村草吉役を務められた。朝の連続ドラマは2003年『こころ』以来、22年ぶりでござる。
役のためにパン工場へ行き、こねる・包むを基礎から習われた。
脚本の御方からは「ヤムさん、おもしろくしてください」と頼まれておられる。
ここからは吾輩の見立てでござる。
この御方は、わざと分からぬ人でいる御方だとみる。
根拠は、この一行でござる。
「特に前半は、なんだかよく分からない人でいたほうがいいんだろうなと思って演じていました」
お主、よく読まれよ。
――いたほうがいいじゃ。
分からぬのではない。分からぬ側に置いておられる。
そして、その裏では読みを固めておられた。
「何かを諦めてきて、愛情に飢えている」——ここまで決めたうえで、見せぬ。
――決めておらぬから謎に見えるのと、決めたうえで隠すのは別物でござる。
多くの御方は、掴んだものを見せたくなる。
見せねば、分かってもらえぬゆえな。
だがこの御方は、半年の物語の前半をまるごと余白に使われた。
そして、余白を残す性分は方言の話にも出ておる。
「僕が勝手なことをしてしまうと、急には方言が出てこなくて困らせてしまう」
――己の出来る幅より、場の回り方を先に見ておられる。
「おもしろくしてください」と頼まれてなお、そこは抑える。
面白くする力があるからこそ、抑えるところが分かるのでござろう。
そしてもう一つ。
この御方は、草吉が嵩を気にかけた訳をこう読んでおられる。
「最初に川辺で、ひとりぼっちでいる嵩を見たときから、そのさみしげな姿に、何かシンパシーを感じたんだと思います」
――さみしい者が、さみしい者を見つける。
口が悪く、金にうるさく、どこからともなく来た男でござる。
その男が、誰も見ておらぬところであんぱんを焼く。
――分からぬ人でいるとは、そこまで含めた置き方じゃ。
そして風来坊ゆえ、去る。
「草吉はずっと朝田家にいましたが、やっぱり風来坊ですからね。どこかに行かなくてはなりません(笑)」
決めておらぬから謎に見えるのと、決めたうえで隠すのは別物じゃ
PR(広告を含みます)
【吾輩からの一言】
人前に立つ御方々を見て、生まれつきと思うてはならぬ。皆、手をかけておられるのでござる。
とはいえ、店に通う暇はなかなか取れぬもの。……家で使える器も出ておってな。
英国の美容機器の専門店でござる。まずは見てみられよ。
【朝ドラは22年ぶり!?パンを一から習ったについてのまとめ】
今回は阿部サダヲ殿について調査してみた!
一つ。阿部サダヲ殿は2025年の連続テレビ小説『あんぱん』にて屋村草吉役を務められた。第112作、主演は今田美桜殿でござる。
二つ。朝の連続ドラマは2003年『こころ』以来、22年ぶり。「お父さん役もできる年齢になってきたかなと思っていましたが、それとはまたちがう、風来坊のパン職人というおもしろい役をいただけて」とのこと。
三つ。支度は「実際にパンの工場に行って、パンをこねて、あんこを包んでという基礎から練習しました」。「パンがおいしそうに見えないから撮り直し」もあり、「ツヤ感が重要」だという。
四つ。役の読みは「草吉は何かを諦めてきて、愛情に飢えている」。だが「特に前半は、なんだかよく分からない人でいたほうがいいんだろうなと思って演じていました」。
五つ。脚本の中園ミホ殿からは「ヤムさん、おもしろくしてください」と頼まれた。それでも方言に苦労する共演者を思い「あまり乱すことはしないように気をつけています」と語っておられる。
吾輩は阿部サダヲ殿に対して、掴んだものを、あえて見せずに置いておかれる御方、と思ったんだがお主は阿部サダヲ殿についてどう思ったかな?
世の中にはまだまだ、知られておらぬ話が溢れておる。
引き続きこの書記にて調べ、書き記していく所存ゆえまた応援のほどよろしくお頼み申す!
それではまた次の記事にて会おう!
嘘か誠かの判断は自己責任にて!
引いた言葉の出どころ
婦人公論.jp(『あんぱん』阿部サダヲが語るパン職人・屋村草吉。悲しみを救うあんぱん「みんなのことを思ってこっそり作っているんでしょうね」・2025年5月30日)
リアルサウンド(阿部サダヲ、『あんぱん』脚本家からの注文を明かす「“おもしろくしてください”と(笑)」・2025年5月30日)
関連記事

