
頼みごとを言い出せなくて、黙って我慢する。それが一番もったいないよ。
海外のホテルで、チェックインの英語が不安。何を言われるか、何を言えばいいか分からない。——そこでここに来たんだと思う。
先に安心してほしいことを書く。チェックインの流れは決まっている。だから流れの順に覚えれば、次に何が来るか分かるようになる。
ただし、ホテルには入国審査と違うところがある。審査は聞かれたことに答えるだけでよかった。でもホテルでは、自分から頼む場面が出てくる。ここが本当の難所だ。
私は英語ができない時期、分からないと言えずに相槌でやり過ごす癖があった。その癖のままだと、困っていても言い出せずに黙って我慢することになる。だからこの記事では、流れの英語と一緒に「頼む言い方」も置いておくよ。
チェックインの流れと、その場の英語
順番はだいたいこうなる。流れが分かっていれば、聞き取れなくても推測が効く。
- ①名乗って、予約があると伝える
- ②身分証を見せる
- ③支払いの確認
- ④朝食や設備の説明を受ける
- ⑤鍵を受け取る
①名乗る|これだけ言えば始まる
- Hi, I have a reservation under Tanaka. … 田中で予約しています
- Checking in, please. … チェックインをお願いします
- I booked online. … ネットで予約しました
1つ目が言えれば十分だ。Checking in, please. と名前だけでも通じる。
②身分証|言われる言葉
- May I see your passport? … パスポートを見せてください
- Could you fill in this form? … この用紙にご記入ください
ここは差し出せば済む。言葉より、動作で通じる場面だよ。
③支払い|言われる言葉
- How would you like to pay? … お支払い方法は
- We need a deposit. … 保証金をお預かりします
- By card, please. … カードでお願いします(こちらの答え)
④説明|聞いておきたいこと
- What time is breakfast? … 朝食は何時からですか
- Where is the breakfast room? … 朝食はどこですか
- What’s the Wi-Fi password? … Wi-Fiの合言葉は
- What time is checkout? … チェックアウトは何時ですか
この4つは、こちらから聞いておくと後が楽だ。聞かなければ、たいてい教えてもらえないまま部屋に行くことになる。
⑤鍵を受け取る
- Your room is on the third floor. … お部屋は3階です
- Here’s your key card. … こちらが鍵です
本当の難所は「自分から頼む」ほうだ
ここが、この記事でいちばん書きたいところだ。
私は、言い出せない人間だった
私は青年海外協力隊として2年間、大洋州の島国でコンピュータを教えていた。その島は英語が通じる土地だったのに、2年経ってもほとんど話せないまま帰ってきた。
何をしていたかというと、分からない話が来たときにうなずいてやり過ごしていた。聞き返さない。言い出さない。それで一日が終わってしまった。
この癖は、旅先でもそのまま出る。困っていても言えずに、黙って我慢することになるんだ。
答えるより、頼むほうが難しい
入国審査は、聞かれたことに答えるだけでよかった。相手が話しかけてくれるから、こちらは反応すればいい。
でもホテルの頼みごとは違う。自分から話しかけて、自分から用件を言い出す必要がある。これは英語の難易度ではなく、踏み出すかどうかの問題だ。
だからこそ、頼む言い方を先に持っておくことが効く。その場で文を作ろうとすると、たいてい面倒になって諦めてしまうからね。
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よく使う頼みごとの言い方
荷物を預かってほしい
- Could you keep my luggage until check-in? … チェックインまで荷物を預かってもらえますか
- Can I leave my bags here after checkout? … チェックアウト後に荷物を置かせてもらえますか
早く着いたとき、遅く発つとき。この2つは本当によく使う。
部屋を変えてほしい
- Could I change rooms, please? … 部屋を変えてもらえますか
- The room is a bit noisy. … 部屋が少しうるさいです
- Is there a quieter room? … もっと静かな部屋はありますか
言いにくく感じるかもしれない。でも我慢して眠れないまま過ごすほうが、よほど損だよ。
備品を頼む
- Could I have an extra towel? … タオルをもう1枚もらえますか
- Could I have another pillow? … 枕をもう1つもらえますか
- Do you have an adapter? … 変換のプラグはありますか
Could I have ○○? はどんな物にも使える万能の形だ。これ1つ覚えておけば、物を頼む場面はほぼ足りる。
起こしてほしい・タクシーを呼んでほしい
- Could I have a wake-up call at six? … 6時に起こしてもらえますか
- Could you call a taxi for me? … タクシーを呼んでもらえますか
- What time should I leave for the airport? … 空港へは何時に出れば
困ったときに、これだけは言えるように
トラブルは起きるものだ。起きたときに黙らないための言い方を置いておく。
設備が使えない
- The air conditioner isn’t working. … エアコンが動きません
- There’s no hot water. … お湯が出ません
- The Wi-Fi isn’t connecting. … Wi-Fiがつながりません
- The key card doesn’t work. … 鍵が開きません
○○ isn’t working. の形を覚えておけば、たいていの物に使える。物の名前が分からなければ、指差せばいい。
困っていると伝える
- Excuse me, I have a problem with my room. … 部屋のことで困っています
- Could you help me, please? … 助けていただけますか
細かく説明できなくていい。Could you help me? が言えれば、そこから相手が聞いてくれる。
聞き取れなかったとき
- Sorry? … もう一度お願いします
- Could you say that again, please? … もう一度言っていただけますか
- Could you write it down? … 書いていただけますか
最後の Could you write it down? は旅先でとても役に立つ。部屋番号や時刻は、書いてもらえば確実だ。
私が長い留学生活でいちばん役に立ったのは、分からないときに「分からない」と言えるようになったことだった。難しい単語でも、きれいな発音でもない。ここなんだ。
ホテルの英語について、よく聞かれること
英語が話せなくてもチェックインできますか
できる。名前と予約の控えを見せれば、それで進む。
受付の人は毎日その作業をしている。こちらが何をしに来たかは、立った時点で分かっているからね。
私は英語がほとんどできない状態で英語圏に渡った人間だけれど、泊まる場所で困ったことは無かったよ。
翻訳のアプリがあれば覚えなくていいのでは
使えばいいと思う。私も反対しない。
ただ速さが違う。タオルを1枚もらうのに端末を出して打ち込むより、Could I have an extra towel? と言うほうが早い。
それに、面倒だと頼むこと自体をやめてしまう。私が2年間やっていたのがまさにそれだ。手間が一段増えるだけで、人は黙るほうを選んでしまうんだ。
発音が悪くても通じますか
通じる。ホテルの受付は世界中の人を相手にしている。
むしろ長い文で話すほうが伝わりにくい。短く区切って、はっきり言うほうが確実だよ。
頼みごとをするのは迷惑ではないですか
迷惑ではない。それが仕事だからね。
むしろ黙って我慢されるほうが、宿の側も困る。後で不満だけが残ってしまうより、その場で言うほうがお互いにいい。
チップはどうすればいいですか
国や宿によって習慣がまるで違うので、この記事では書かない。
渡航先の習慣を、行く前に調べておいてほしい。私の経験を一般化して書けるところではないからね。
チェックアウトと、最後のひとこと
チェックアウトの英語
- Checking out, please. … チェックアウトをお願いします
- Could I have the receipt? … 領収書をもらえますか
- I think there’s a mistake on the bill. … 請求に間違いがあるようです
3つ目は言いにくいけれど、覚えておいて損はない。おかしいと思ったら、その場で言うのが一番早い。
お礼を伝える
- Thank you for everything. … いろいろありがとうございました
- I really enjoyed my stay. … 快適に過ごせました
こちらは実用ではないけれど、私はこれを言えるようになってから旅の感じが変わったと思っている。
完璧な文でなくていい
最後に、島での2年で学んだことを書いておく。
言葉が満足に通じなくても、気持ちは通じる。
Towel, please. でも Room, noisy. でも伝わる。正しい文が作れないから黙る——それが一番もったいないんだ。
私はそれで2年を無駄にした。旅先の数日を、同じように無駄にしてほしくないと思っているよ。
まとめ|ホテルのチェックインの英語
整理しておくよ。
チェックインの流れは決まっている。名乗る→身分証→支払い→説明→鍵。順に覚えておけば、聞き取れなくても次が推測できる。そして朝食の時間・Wi-Fi・チェックアウトの時刻は、こちらから聞いておくといい。
本当の難所は、流れの英語ではなく自分から頼むほうだ。入国審査は聞かれたことに答えればよかったけれど、ホテルは自分から話しかけて用件を言い出す必要がある。
だから頼む言い方を先に持っておく。Could I have ○○?(物を頼む)と○○ isn’t working.(動かないと伝える)。この2つの形があれば、たいていの場面は足りる。
私は英語ができない時期、分からないと言えずに相槌でやり過ごす癖があった。その癖のままだと、困っていても言えずに黙って我慢することになる。英語の難易度ではなく、踏み出すかどうかの問題なんだ。
完璧な文でなくていい。Towel, please. でも伝わる。正しい文が作れないから黙る——それが一番もったいないよ。
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