
自己紹介は、覚えた文を言う場じゃなくて、会話を始める場だよ。
英語で自己紹介をしないといけない。何をどう言えばいいか分からない。——そういうことでここに来たんだと思う。
この記事では基本の型と例文を並べる。でもその前に、一番大事なことを言っておきたい。
自己紹介は、覚えた文を披露する場ではなく、会話を始める場だ。きれいな文を暗唱しても、その後の質問に答えられなければ意味がない。私はそれで何度も止まった。
私はニュージーランドで1年の語学留学をして、その後イギリスの大学院で教育開発学を1年半学んだ。世界中から来た人たちの中で、何度も自分のことを話す必要があった。その経験から、実際に効いた形を書くよ。
基本の型|4つを順に並べるだけでいい
難しく考えなくていい。この順番で十分に成り立つ。
- ①名前 … Hi, I’m ○○.
- ②どこから来たか … I’m from Japan.
- ③何をしている人か … I work in ○○. / I’m studying ○○.
- ④相手が拾える一言 … これが一番大事
④が無いと、そこで会話が止まる
①〜③だけだと、情報は伝わるけれど会話が続かない。相手は「そうですか」で終わってしまう。
だから最後に、相手が質問しやすい一言を置く。
- I’ve just started learning English seriously. … 最近本気で英語を始めました
- This is my first time in ○○. … ここは初めてです
- I’m interested in ○○. … ○○に関心があります
これがあると、相手は「いつから?」「どうして?」と聞いてくれる。質問してもらえれば、自己紹介は成功だ。
そのまま使える例文|短い順に
いちばん短い形(初対面・立ち話)
- Hi, I’m Ken. I’m from Japan. Nice to meet you.
これで十分に成立する。短さは失礼ではないよ。
少し足した形(教室・集まりの場)
- Hi, I’m Ken. I’m from Japan.
- I work as a software engineer.
- I’ve just started learning English seriously, so please speak slowly!
最後の一言は、実はとても役に立つ。先に「ゆっくりお願いします」と言っておくと、後がずいぶん楽になる。私はこれを言えるようになるまで、ずいぶん遠回りをした。
仕事の場で(社内・初対面)
- Hello, I’m Ken Sato. I’ve been with the company for five years.
- I’m in charge of ○○. … ○○を担当しています
- I’m looking forward to working with you. … よろしくお願いします
日本語の「よろしくお願いします」にあたる決まった言い方は英語に無い。場面ごとに言い換えることになる。初対面なら Nice to meet you.、これから一緒に働くなら上の言い方が近いよ。
私が自分を紹介するなら、こう言う
型だけ並べても分かりにくいと思うので、私自身を例にしてみる。
まず、良くない例
- Hi, I’m Ace. I have a TOEIC score of 900.
点数を言っても、相手には何も伝わらない。そもそもTOEICを知らない人のほうが世界には多い。
私はイギリスの大学院で、点数の話をしている人を一人も見なかった。問われるのは、その人が何をしてきたかだけだった。
実際に使う形
- Hi, I’m Ace.
- I taught computer skills on a Pacific island for two years as a volunteer.
- My English was really poor back then, so I studied in New Zealand for a year afterwards.
- Later I did a master’s in education and development in the UK.
肩書きではなく、してきたことを並べている。しかも「英語ができなかった」という都合の悪いところを入れてある。
なぜ、できなかった話を入れるのか
ここが一番伝えたいところだ。
うまくいった話だけを並べると、相手は質問しにくい。でも「できなかった」と言うと、たいてい聞き返してくれる。Why was it poor? とか、What happened? とかね。
会話が始まれば、こちらの勝ちだ。自己紹介の目的は、感心されることではなく、話が続くことだからね。
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自己紹介でやりがちな失敗
1|長すぎる
これが一番多い。準備した文を全部言おうとして、30秒を超えてしまう。
初対面の場面では、10秒から15秒くらいでちょうどいい。足りない情報は、相手が聞いてくれる。
2|暗唱してしまって、質問に答えられない
私はこれで何度も止まった。
用意した文はきれいに言えるのに、そのあと Where in Japan? と聞かれた瞬間に固まる。準備したのは自己紹介であって、会話ではなかったからだ。
対策は簡単で、自分が言ったことに対する質問を3つ予想しておく。出身を言うなら「どこ?」、仕事を言うなら「何を?」が来る。それだけ用意しておけばいい。
3|肩書きだけを言う
会社名や役職を言っても、相手はその会社を知らないことがほとんどだ。
「何をしている人か」を、誰でも分かる言葉で言うほうが伝わる。I work at ○○ より I help companies with ○○ のほうが、会話は広がるよ。
4|謙遜しすぎる
My English is not good. から入る人は多い。私もそうだった。
一言添えるくらいならいい。でも謝ってばかりだと、相手はどう扱っていいか分からなくなる。
ゆっくり話してほしいなら、謝るよりCould you speak a little more slowly, please? と頼むほうが早い。これは頼みごとであって、謝罪ではないからね。
自己紹介の後に来る質問を、先に用意しておく
ここが、この記事でいちばん実用的なところかもしれない。
自己紹介そのものより、その後の3往復で止まる人が多いからだ。私もそうだった。
出身を言ったら、必ずこれが来る
- Where in Japan? … 日本のどこ?
- What’s it like there? … どんなところ?
- Have you been living there all your life? … ずっとそこに?
答え方も用意しておく。It’s near Tokyo. や It’s a small town in the north. くらいで十分だよ。地名を言っても伝わらないことが多いから、位置を添えるといい。
仕事を言ったら、これが来る
- What do you do exactly? … 具体的には何を?
- How long have you been doing that? … どのくらい?
- Do you enjoy it? … 楽しい?
最後の Do you enjoy it? は本当によく来る。日本語だとあまり聞かない質問だから、初めて聞かれると固まってしまうんだ。
英語のことを言ったら、これが来る
- How long have you been studying English? … いつから勉強しているの?
- Why did you start? … なぜ始めたの?
Why did you start? は、私にとって一番答えやすい質問だった。島で英語ができなくて悔しかったから——これを英語で言えるようにしておいたら、そこから会話がずいぶん広がった。
君にも、英語を始めた理由が何かあるはずだ。それを一文で言えるようにしておくだけで、自己紹介の後が変わると思う。
世界中から来た人の中で気づいたこと
イギリスの大学院には、世界中から学生が来ていた。自己紹介を何度も聞く場面があって、そこで気づいたことを書いておく。
英語が上手い人の自己紹介が、面白いとは限らない
私の英語力は、その中では低い方だった。特にドイツから来ていた学生は、私とは比べものにならないくらいできた。
でも記憶に残ったのは、英語が上手い人ではなく、話が面白い人だった。
つまり、英語の巧さと、自己紹介の良し悪しは別物なんだ。これは私にとって救いだったよ。
自分にしか言えないことが、一つあればいい
私の場合は「大洋州の島でコンピュータを教えていた」だった。
英語では負けても、その経歴を持っている人は他にいなかった。だから話しかけてもらえたし、会話が続いた。
君にも、その場で自分しか持っていないものが必ずある。きれいな英文を探すより、そこを一つ見つけるほうが早いと思う。
完璧な文でなくても、伝わる
最後に、島での2年で学んだことを書いておく。
言葉が満足に通じなくても、気持ちは通じる。
正しい文が作れないから黙る——これが一番もったいない。単語を並べるだけでも伝わることは、私が2年かけて確かめてきたことだからね。
まとめ|英語の自己紹介をどう組み立てるか
整理しておくよ。
型は①名前 ②どこから ③何をしている人か ④相手が拾える一言の4つ。特に④が大事で、これが無いとそこで会話が止まってしまう。
長さは10秒から15秒で十分だ。足りない情報は相手が聞いてくれるし、むしろ質問してもらえたら自己紹介は成功だと思っていい。
そして、肩書きよりしてきたことを話す。私なら「大洋州の島でコンピュータを教えていた。英語ができなかったので、その後1年留学した」と言う。できなかった話を入れると、相手はたいてい聞き返してくれるからね。
イギリスの大学院で世界中の人の自己紹介を聞いて気づいたのは、英語が上手い人の自己紹介が面白いとは限らないということだった。私の英語力はその中では低い方だったけれど、島での経歴を持っている人は他にいなかった。
きれいな英文を探すより、自分にしか言えないことを一つ見つける。そこが決まれば、自己紹介はもう半分できているよ。
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