
TOEIC900点を持って行って、それでも私は下の方だったんだ。
イギリスの大学院に行きたいけれど、英語力がどのくらい要るのか分からない。そこが気になってここに来たんだと思う。
私はイギリスの大学院で教育開発学を1年半学び、修了している。その経験から、正直なところを書くよ。
先に結論を言う。私はTOEIC900点を持って行った。それでも、世界中から来た学生の中では英語力は低い方だったと思う。特にドイツから来ていた学生は、私とは比べものにならないくらいできた。
がっかりさせたかもしれない。でも、これを隠して「900点あれば大丈夫」と書いても、君が現地で困るだけだからね。その上で、それでも修了できたという話もする。ここが本題だよ。
【結論】必要な英語力と、実際に足りる英語力は違う
私の実感を先に並べておく。
- 出願に必要な語学の証明と、現地で困らない英語力はまったく別
- 私はTOEIC900点で行って、それでも周りより下だった
- それでも1年半で修了できた。英語だけで決まる場所ではない
- ただし、英語が原因でしんどい思いはする。覚悟はいる
出願の条件は、私からは書かない
「何点あれば入れますか」という問いには、この記事では答えない。
理由は単純で、必要な語学の証明は学校ごと、課程ごとに違うし、年によっても変わるからだ。私が出願したときの条件をそのまま書いても、いまの君には当てはまらない。
ここは必ず志望校の公式の募集要項で確かめてほしい。経験談より公式が強い場面だよ。
この記事で書けるのは、条件を満たして入った後、実際にどうだったかのほうだ。
900点を持って行って、それでも下の方だった
ここが、この記事で一番書きたいところだ。
私のTOEICの推移はこうだった。
- 語学留学の前:約600点
- ニュージーランドで1年学び、帰国後に対策なしで受けて:約800点
- その後、TOEIC対策をやって:900点
日本の中で言えば、900点は悪くない数字だと思う。私自身、そこまで持っていくのにずいぶん時間をかけた。
それでも、大学院に入ってみたら、私の英語力は世界中から来た学生と比べて低い方だった。これは謙遜ではなく、実感としてそうだった。
特にドイツの学生には敵わなかった
はっきり覚えているのが、ドイツから来ていた学生たちだ。
彼らの英語は、私とは比べものにならないくらいできた。議論の速さも、言葉の正確さも、まるで違う。
同じ教室にいて、同じ課題をやっているのに、英語という道具の切れ味がここまで違うのかと思ったよ。
TOEICの点は、その場では何の役にも立たなかった
そして思い知ったのが、これだ。
900点という数字は、あの教室では一度も役に立たなかった。誰も点数の話などしないし、点があるからといって議論に入れるわけでもない。
私は以前から「英語力とTOEICの得点は、必ずしも連動しない」と書いてきた。それを一番強く感じたのが、この大学院の1年半だった。
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それでも1年半で修了できた理由
ここからが本題だ。下の方だった私が、なぜ修了できたのか。
1|大学院は、英語の巧さを競う場所ではない
当たり前のようだけれど、これが一番大きい。
大学院で問われるのは専門について何を考えたかであって、英語がどれだけ流暢かではない。
英語はあくまで道具だ。切れ味の悪い道具でも、何を作りたいかがはっきりしていれば、形にはなる。時間はかかるけれどね。
2|私には、専門の側に持ち込むものがあった
私が学んだのは教育開発学という分野だ。
その前に私は、青年海外協力隊として2年間、大洋州の島国でコンピュータを教えていた。現場で教えるということを、実際にやってきていた。
教室で英語がうまく出てこなくても、現場を知っているという一点だけは、誰にも負けない部分だったと思う。
英語で勝てないなら、英語以外で持ち込めるものを持っていく。これは大学院留学を考える人に、いちばん伝えたいことだよ。
3|語学留学の1年が、下地になっていた
もし語学留学を挟まずにいきなり大学院へ行っていたら、たぶん最初の数か月で潰れていたと思う。
ニュージーランドでの1年で、英語を使うことが特別な行為でなくなっていた。その下地があったから、下の方でも踏みとどまれた。
なぜ私が大学院まで行ったのか
順番を書いておくと、話が分かりやすいと思う。
英語と向き合い始めたのは、30歳を過ぎてからだった
先に言っておくと、私が本気で英語と向き合い始めたのは30歳を過ぎてからだ。学生時代に頑張った人間ではない。
きっかけは、島での2年だった。英語が通じる土地にいながら、2年経ってもほとんど話せないままだったんだ。
任期の終わりに「もし英語ができていたら、もっと良い活動ができたはずだ」と悔しく思った。その悔しさが理由で、語学留学を決めた。
語学留学のあと、その先を考えた
ニュージーランドでの1年を終えたとき、私はこう考えた。せっかく身につけた英語力を、もっと活かしたいと。
英語ができるようになること自体を目的にしていたら、たぶんそこで終わっていた。でも私にとって英語は、島での悔しさを埋めるための道具だった。だから道具を手にした後、それで何をするかを考えたんだ。
その答えが、教育開発学だった。現場で教えていた人間が、教育と開発をきちんと学び直す。自分の中では、まっすぐに繋がった選択だったよ。
イギリスを選んだ理由は、正直に言えば好きだったから
格好つけずに書くと、もともとイギリスが好きだった。
それに、ニュージーランドで1年過ごしてあの国が大好きになったことも大きい。ニュージーランドを好きになったから、イギリスも好きになった——そういう順番だ。
国の選び方としては単純に見えるかもしれない。でも1年半という時間を過ごす場所だからね。好きだと思える国であることは、思っている以上に大事だと私は思う。
英語で下の方だった私が、やっていたこと
では、下の方だと分かっている状態でどう過ごしたか。特別な方法があったわけではないけれど、いま振り返って効いたと思うことを書く。
1|英語で勝負しない部分を作る
議論の速さでドイツの学生に勝てないのは、はっきりしていた。だから、そこで張り合うのはやめた。
代わりに、自分が現場で見てきたことを持ち込むようにした。教える現場にいた人間は、その教室に何人もいなかったからね。
英語の速さでは負けても、「それは実際にはこうだった」と言える材料があると、話に入れてもらえる。
2|分からないと言えるようにする
これは語学留学の1年で身についたことだ。
分からないまま曖昧にうなずくのをやめて、「いまのところをもう一度」と言えるようにする。
格好は悪い。でも、分からないまま進むほうがずっと損だ。1年半という限られた時間なら、なおさらだよ。
3|書くほうで取り返す
口では追いつけなくても、書くほうは時間をかけられる。
話す速さは訓練しないと変わらないけれど、読んで書くところは、時間を注げばその分だけ返ってくる。
私は日本語のときの何倍も時間をかけた。効率は悪い。でも、そこは努力が素直に効く場所だった。
4|比べるのをやめる、とは言わない
「人と比べるな」という助言をよく見るけれど、私はそう書かない。
同じ教室にいれば、嫌でも比べてしまう。比べてしんどくなるのは、たぶん避けられない。
私にできたのは、比べないことではなく、比べてへこんだ日の翌日にまた教室へ行くことだけだった。それで1年半が終わった。
1年半で得たものと、しんどかったこと
得たもの|異文化に触れられたこと
1年半を振り返って、一番良かったと思うのはこれだ。
世界中から来た人たちと、同じ教室で学べたこと。考え方も、育ってきた背景も、当たり前だと思っていることも、全部違う。
教育開発という分野は特にそうで、同じ問題を見ても、どこから来たかで見え方がまるで変わる。これは日本で本を読んでいるだけでは絶対に手に入らなかったと思う。
しんどかったこと|自分の英語力を毎日突きつけられる
都合の悪いことも同じ重さで書く。
自分が下の方だという事実を、毎日確認させられる。これはしんどかった。
議論に入りたいのに、言葉を組み立てている間に話が先へ行く。言いたいことを削って話すから、中身の薄い人だと思われる。読む速さも書く量も、日本語のときとは比べものにならないほど時間がかかる。
900点を取ったときは、正直「もう英語では困らない」と思っていた。そんなことはまったくなかった。
それでも、行って良かったと思っている
しんどかったと書いた上で、行って良かったかと聞かれれば、迷わず良かったと答える。
英語ができなくて悔しい思いをした人間が、その悔しさを道具に変えて、世界中の人と同じ教室に座った。下の方だったとしても、そこに座れたこと自体が私には大きかった。
まとめ|イギリス大学院留学に必要な英語力
整理しておくよ。
私はTOEIC900点を持ってイギリスの大学院へ行き、それでも世界中から来た学生の中では下の方だった。特にドイツの学生は、私とは比べものにならないくらいできた。これが正直なところだ。
でも1年半で修了できた。大学院は英語の巧さを競う場所ではないし、私には現場で教えてきたという、英語以外で持ち込めるものがあったからだ。
だから必要な英語力を聞かれたら、私はこう答える。出願の条件は志望校の公式で確かめること。そして条件を満たしても、現地では足りないと感じること。この2つを分けて考えてほしい。
私が英語と向き合い始めたのは30歳を過ぎてからだ。学生時代に頑張った人間ではないし、いまも完璧には程遠い。それでも1年半、世界中の人と同じ教室に座れた。そこは自信を持って伝えられるよ。
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