
私が語学留学に出たのは、憧れじゃなくて「やり直し」だったんだ。
社会人で語学留学を考えていて、「本当にメリットがあるのか」を確かめたいところだと思う。仕事を止めて、お金を使って、それに見合うものが返ってくるのか——気になるよね。
先に立場を書いておく。私は社会人になってから、1年の語学留学に出ている。学生時代の話じゃない。そして行った理由は憧れではなく、英語ができなくて悔しい思いをしたからだった。
結論から言うと、メリットはあった。ただし「英語が話せるようになる」だけがそれではない。むしろ私にとって一番大きかったのは、別のところにある。
この記事では、社会人が語学留学に出て実際に何が得られるのかを、私のTOEICの推移(約600点→対策なしで約800点→対策して900点)と一緒に書いていく。同じ重さでデメリットも書くよ。良いことだけ並べても判断の役に立たないからね。
【結論】社会人の語学留学で、私が実際に得たもの
きれいごとを抜きにして、私の手元に残ったものを並べる。
- TOEICが約600点から、対策なしで約800点まで動いた
- 英語を使うことが、身構える行為でなくなった
- その先で英国の大学院に進む道が開いた
- 「できなかった自分」に決着をつけられた
最後の1つが、私には一番大きかった
点が動いたことより、進路が開けたことより、やり残しに決着をつけられたことが一番大きかった。
これは数字にならないから、比較記事には絶対に出てこない項目だ。でも社会人で留学を考える人には、案外ここが本丸なんじゃないかと私は思っている。
なぜそう思うのかは、私が留学を決めた経緯を書けば伝わるはずだ。
私が社会人で語学留学に出た理由
順番に書くね。
私は青年海外協力隊として2年間、大洋州の島国でコンピュータを教えていた。その島は英語が通じる土地だった。
ところが、2年経ってもほとんど英語ができないままだった。
困らなかったから、覚えなかった
教える仕事は、英語ができなくても回ってしまった。画面を指させば伝わる。手を動かして見せれば伝わる。
言葉が満足に通じなくても、気持ちは通じる——これはあの2年で学んだ本当のことで、今でも私の財産だと思っている。
でも同時に、困らないものは身につかない。英語ができなくても一日が終わってしまうから、覚える必要がなかったんだ。
「もし英語ができたら、もっと良い活動ができたのに」
任期の終わりに、私はこう思った。
伝えたいことの半分も伝えられなかった。相手の言葉も半分しか受け取れなかった。2年という時間をもらっていたのに、そこを埋められなかった。もし英語ができていたら、もっと良い活動ができたはずだ——そう思ったんだ。
その悔しさが理由で、私は語学留学を決めた。だから私にとっての留学は、憧れではなくやり直しだった。
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社会人だからこそ得られたメリット
1|目的がはっきりしている
学生の頃なら「海外に行ってみたい」で十分だと思う。でも社会人は、仕事も収入も止めて行くことになる。
だからこそ何のために行くのかが、行く前からはっきりしている。私の場合は「あの2年をやり直す」だった。
目的がはっきりしていると、現地での時間の使い方が変わる。遊びに来たのではないと自分で分かっているから、逃げにくくなるんだ。
2|英語が必要な場面を、具体的に知っている
社会人には、英語で困った具体的な記憶がある。
私には、伝えたいことを伝えられなかった場面が山ほどあった。その場面を思い出しながら学べるのは、社会人の強みだと思う。
何のためにこの表現を覚えるのかが、常に自分の中にある。これは学生には無い財産だよ。
3|その先の進路につながる
私はこの1年の後、英国の大学院に進んで修了している。
英語が通じる島に2年住んでほとんど話せなかった人間が、そこまでは行けた。語学留学は終点ではなく、折り返し点になり得るということだね。
4|「やらなかった後悔」が消える
これが私には一番大きかった、と最初に書いたものだ。
英語ができなくて悔しかった、という気持ちを抱えたまま年を重ねるのと、一度そこに向き合ってから次へ行くのとでは、その後の何年かの過ごし方が変わってしまうと思っている。
同じ重さでデメリットも書いておく
メリットだけ並べる記事は信用しないでほしい。私の側の不都合も書く。
1|1年いても、点は勝手には上がらない
帰国後、対策せずに受けたTOEICが約800点。600からの伸びとしては悪くない。
でも900に乗ったのは、帰国後にTOEIC対策の勉強をしてからだ。問題の形式に慣れ、時間配分を作り、出る文法を潰す。その作業をやって初めて動いた。
英語力とTOEICの点は、必ずしも一緒には動かない。「留学すれば点も上がる」と期待していると、帰ってきてから落胆することになるよ。
2|「もう平気」にはならない
その後の大学院でも、英語では苦労した。
読む速さも、書く量も、日本語のときとは比べものにならないほど時間がかかった。語学留学1年で英語の悩みが終わるわけではまったくない。
3|環境に行くだけでは、何も起きない
これは私の2年が証明している。
英語を使わなくても一日が終わる過ごし方をすれば、期間が何年あっても同じだ。国でも学校でも期間でもなく、そこで何をするかで決まる。
4|万人に必要なものではない
最後にこれも書いておきたい。
私が留学したのは、英語ができないせいで悔しい思いをしたからだ。誰にでも必要なものだとは思っていない。
英語が要る場面が仕事にも生活にも無いなら、その時間とお金を別のことに使ったほうがいい場合も普通にある。そこは正直に言っておくよ。
「社会人だから遅い」は本当か
年齢を理由に迷っている人が多いので、ここも書いておきたい。
私は学生として行っていない
私が語学留学に出たのは、協力隊としての2年の任期を終えた後だ。つまり学生ではなく、社会人としての経験を積んだ後で行っている。
そのときの私は、TOEIC約600点。英語圏に2年住んだ後で、その点だった。客観的に見て、条件が良かったとはとても言えない。
それでも1年で対策なしの約800点まで動いた。遅かったから伸びなかった、ということは私には起きなかった。
むしろ、社会人のほうが本気になれる
仕事も収入も止めて行くわけだから、遊びに来たとは自分に言い訳できない。
その緊張感が、結果的に良い方向に働いたと私は思っている。失うものがある人のほうが、逃げにくいんだ。
ただし、待つほど条件は悪くなる
そのうえで、正直なことも書いておく。
「もう少し落ち着いてから」と待っていると、たいてい落ち着かない。仕事は次の仕事を呼ぶし、背負うものは年ごとに増えていく。
私自身、「英語がある程度できるようになってから」と考えていた時期があって、その結果が英語圏での2年だった。条件が揃う日を待つより、いつなら動かせるかを自分で決めるほうが早いと思うよ。
社会人が語学留学を考えるときの、私の勧め方
1|「英語が要る理由」を先に言葉にする
私には「あの2年をやり直す」という理由があった。
理由が言葉になっていない状態で国や学校を比べても、答えは出ないと思う。まず、自分が何に困ったのかを書き出してみてほしい。
2|英語を使わずに済む逃げ道を、先に塞ぐ
何度でも書くけれど、ここが全部だ。私の2年の失敗はここに尽きる。
3|期間は、取れる範囲で先に決める
社会人は期間の確保がいちばんの難所だと思う。
でも期間が決まらないと、費用も仕事の話も全部宙に浮く。取れる範囲で区切って、その中で何をやるか詰めるほうが前へ進むよ。
4|渡航日までの時間を使う
これは私ができなかったことだから、正直に書く。
約600点のまま渡航して、最初はずいぶん苦労した。現地で耳を慣らしている時間は、授業料と滞在費を払っている時間だ。
いまはオンラインで話す相手をいくらでも作れる。私の頃とは事情が違う。行くと決めているなら、その日までを使わない手はないと思う。
5|帰ってからの計画も、先に立てておく
これは私が後から気づいたことだ。
留学している期間より、帰ってからの時間のほうが圧倒的に長い。そこで英語に触れ続けるかどうかで、留学の値打ちは後から変わってしまう。
私は帰国後に対策をやって900点に乗せ、その先で大学院に進んだ。行った1年より、帰ってから何をしたかのほうが結果を決めたと思っている。
だから行く前の計画には、帰ってからの分まで入れておいたほうがいい。「帰ったら終わり」で組むと、いちばん長い時間が空白になってしまうからね。
まとめ|社会人の語学留学にメリットはあるか
整理しておくよ。
メリットはあった。私はTOEICが約600点から対策なしで約800点まで動き、英語を使うことが特別でなくなり、その先で英国の大学院に進む道が開いた。
でも一番大きかったのは、できなかった自分に決着をつけられたことだ。私は英語が通じる島に2年住んで、ほとんど話せないまま帰ってきた。「もし英語ができていたら、もっと良い活動ができたはずだ」——その悔しさが、私を留学に向かわせた。
同時に、期待しないでほしいことも書いておく。1年いても点は勝手には上がらないし、英語の悩みが終わることもない。そして環境に行くだけでは何も起きない。私の2年がその証拠だ。
社会人の語学留学は、憧れで行くと高くつくと思う。でもやり直したいことがあって行くなら、これほど確実な使い道は無い——それが、行った私の答えだよ。
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