
条件が完璧に揃っていた2年間、私は何もしなかったんだ。
社会人で留学したいけれど、いつ行けばいいのか決められない。そういうところで、この記事に辿り着いたんだと思う。
仕事の区切り、貯金、年齢、英語の力。考えるべきことが多すぎて、「いまじゃない気がする」で毎年が過ぎていく。よく分かるよ。
先に私の答えを言う。タイミングは、条件が揃った時ではなく、理由ができた時に来る。
私はこれを、かなり情けない形で確かめている。英語が通じる国に2年住んでいたのに、その2年間、私は何も変えなかった。条件で言えば、これ以上ないほど揃っていたのにね。動いたのは、その後に理由ができてからだった。
【結論】社会人の留学に「ちょうどいい時期」は来ない
私の考えを先に並べておく。
- 条件が完璧に揃う日は来ない。待つほど背負うものが増える
- 動く人は、条件ではなく「理由」で動いている
- だから決めるべきは時期ではなく、自分の理由のほうだ
「もう少し落ち着いてから」の落とし穴
社会人の留学相談で一番よく聞くのが、これだ。もう少し仕事が落ち着いてから、貯金がもう少し貯まってから、英語がもう少しできてから。
でも考えてみてほしい。仕事は次の仕事を呼ぶ。任される範囲は年ごとに広がるし、抜けにくくなっていく。
「落ち着いてから」を基準にすると、その日は構造的に来ないんだ。
英語も同じで、線がいつまでも動く
「ある程度できるようになってから」もそうだ。どこまでできれば「ある程度」なのか、自分でも決められない。
私はTOEIC約600点という、決して高くない点のまま渡航した。いま振り返って、それで良かったと思っている。待っていたら、たぶん行っていない。
条件は完璧だった。それでも私は2年、何も変えなかった
ここが、この記事で一番書きたいところだ。
私は青年海外協力隊として2年間、大洋州の島国でコンピュータを教えていた。その島は英語が通じる土地だった。
つまり私は、お金を払わずに、2年も英語圏で暮らしていたことになる。留学したい人から見れば、これ以上ない条件だよね。
結果を書くよ。2年経っても、英語はほとんどできないままだった。
なぜ何も変わらなかったのか
仕事が、英語ができなくても回ってしまったからだ。コンピュータの操作は、画面を指させば伝わる。手を動かして見せれば伝わる。
言葉が満足に通じなくても、気持ちは通じる。それはあの2年で学んだ本当のことで、今でも私の財産だと思っている。
でも同時に、困らないものは身につかない。英語ができなくても一日が終わってしまうから、覚える必要がなかった。
条件が揃っていることと、動くことは別だ
この2年が私に教えたのは、まさにこれだった。
環境は完璧だった。時間も2年あった。費用もかからなかった。条件という意味では、満点に近い状態が2年続いていた。
それでも何も変わらなかった。だから私は、「条件が揃ったら動く」という考え方をまったく信用していないんだ。
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私が動いたのは、理由ができたときだった
では、私はいつ動いたのか。
任期の終わりに、こう思ったんだ。もし英語ができていたら、もっと良い活動ができたはずだ——と。
伝えたいことの半分も伝えられなかった。相手の言葉も半分しか受け取れなかった。2年という時間をもらっていたのに、そこを埋められなかった。
その悔しさが理由で、私は語学留学を決めた。
条件は悪くなっていた。それでも動いた
面白いのは、そのとき条件はむしろ悪くなっていたということだ。
2年前より年を取っていたし、島にいた頃と違って、今度は自分で費用を出して行くことになる。条件だけを見れば、動かない理由のほうが増えていた。
それでも動いたのは、理由のほうが条件より強かったからだ。
だからタイミングは「理由ができた日」でいい
私の答えはこれに尽きる。
何のために英語が要るのか。それが自分の言葉で言えるなら、それがタイミングだ。言えないうちは、条件がどれだけ揃っても動かない。私がその証明だからね。
それでも現実的に、いつ動かすか
気持ちの話だけで終わらせても役に立たないので、実務の話も書く。
1|期間を先に決めると、話が一気に進む
社会人の留学でいちばんの難所は、期間の確保だと思う。
でも期間が決まらないと、費用も、仕事の話も、全部宙に浮く。半年なのか1年なのかで、必要な金額も、職場への相談の仕方も変わってくるからね。
「行けるかどうか」を考える前に、取れるとしたら何か月かを仮でいいから置いてみる。そこから逆算するほうが、現実的に前へ進む。
2|仕事の扱いは、人によって答えが違う
休むのか、辞めるのか。ここは私が断定できるところではない。職場の制度も、担っている役割も、人それぞれ違いすぎるからだ。
ただ一つ言えるのは、この判断を先延ばしにすると、他の全部が止まるということ。早めに調べて、早めに相談したほうがいい。
3|決めた日から渡航日までを使う
これは私ができなかったことだから、正直に書いておく。
約600点のまま渡航して、最初はずいぶん苦労した。現地で耳を慣らしている時間は、授業料と滞在費を払っている時間だ。
いまはオンラインで話す相手をいくらでも作れる。私の頃とは事情がまるで違う。行くと決めた日から渡航日までの数か月は、思っているより大きいよ。
4|帰ってからの計画も、同時に立てる
見落とされがちだけれど、留学している期間より、帰ってからの時間のほうが圧倒的に長い。
私は帰国後にTOEIC対策をやって900点に乗せ、その先で英国の大学院に進んだ。行った1年より、帰ってから何をしたかのほうが結果を決めたと思っている。
年齢は、タイミングの理由になるか
「もう遅いのでは」という悩みも、タイミングの話には必ず付いてくる。ここにも触れておきたい。
私は学生として行っていない
私が語学留学に出たのは、協力隊としての2年の任期を終えた後だ。学生ではなく、社会人としての経験を積んだ後で行っている。
そのときのTOEICは約600点。英語圏に2年住んだ後で、その点だ。客観的に見て、条件が良かったとはとても言えないよね。
それでも1年で、対策なしのTOEICが約800点まで動いた。遅かったから伸びなかった、ということは私には起きなかった。
むしろ、失うものがある人のほうが逃げにくい
社会人は、仕事も収入も止めて行くことになる。だから「遊びに来たのではない」と自分に言い聞かせやすい。
私も、あの2年をやり直すという理由を抱えて行った。その緊張感が、結果的に良い方向に働いたと思っている。
ただし、待つほど条件は悪くなる
そのうえで、これも正直に書いておく。
年を重ねるほど、任される仕事は増えるし、生活に紐づくものも増えていく。年齢そのものより、年齢とともに増える「動かしにくさ」のほうが問題だ。
だから「もう遅い」と考えるより、いまが一番動かしやすいと考えたほうが、たぶん事実に近いと思うよ。
「行かない」と決めるのも、立派なタイミングだ
最後に、これも書いておきたい。
行かないという結論も、十分にあり得る。
私が留学したのは、英語ができないせいで悔しい思いをしたからだ。誰にでも必要なものだとは思っていない。
英語が要る場面が仕事にも生活にも無いなら、その時間とお金を別のことに使ったほうがいい。そういう判断のほうが正しい場合は、普通にあると思う。
迷い続けるのが、いちばん高くつく
私が良くないと思うのは、行くか行かないかを決めないまま、毎年考え続ける状態だ。
決めれば、どちらでも前に進める。行くなら準備が始まるし、行かないなら別のやり方で英語に向き合えばいい。
宙ぶらりんのままでは、時間だけが減っていく。私は英語圏で2年、まさにその状態だったから、これはよく分かるんだ。
決めるために、自分に聞いてみてほしいこと
私が有効だと思う問いは、一つだけだ。
「英語ができなくて、悔しかったことはあるか」
その場面が具体的に思い浮かぶなら、君には理由がある。私にとっては、伝えたいことを伝えられなかった2年間がそれだった。
逆に何も浮かばないなら、いまは急がなくていいと思う。理由の無いうちに動いても、たぶん現地で逃げ道を探すことになる。それは私が2年かけて確かめたことだからね。
そして、その悔しさは待っていれば向こうからやってくる、というものでもない。英語が要る場所に自分から近づいて、はじめて分かることのほうが多いと思う。
私の場合はたまたま、英語が通じる島で働くという機会が先にあった。君の場合は、仕事でも学びでも、もっと小さな場面から始まるかもしれない。どちらにしても、動いてみないと理由は見つからないんだ。
まとめ|社会人が留学するタイミングをどう決めるか
整理しておくよ。
条件が揃う日は来ない。仕事は次の仕事を呼ぶし、「ある程度できてから」の線はいつまでも動く。待つほど背負うものが増えるだけだ。
私は英語が通じる国に2年住んでいた。条件で言えば満点に近い状態だ。それでも2年間、何も変わらなかった。条件が揃っていることと、動くことは別なんだ。
私が動いたのは、「もし英語ができていたら、もっと良い活動ができたはずだ」という悔しさが残ったときだった。そのとき条件はむしろ悪くなっていた。それでも動いた。
だからタイミングは、理由ができた日でいいと思う。何のために英語が要るのかが自分の言葉で言えるなら、それが君のタイミングだよ。
そして決めたら、期間を先に置いて逆算する。行かないと決めるのも立派な答えだ。いちばん高くつくのは、決めないまま毎年考え続けることだからね。
最後にもう一度だけ書いておく。私は条件が満点に近い2年を、まるごと逃している。あのとき足りなかったのは、環境でも時間でもお金でもなく、理由のほうだった。だから君にも、条件表を眺めるより先に、自分の理由を書き出してみてほしいと思うんだ。
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いきなり決めなくていいよ。まずは相談だけしてみるのがおすすめ。無料だからね。
行くと決めてから調べるんじゃなくて、調べてから決めればいいんだ。
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